1月11日、中国日本語教育研究会上海支部と上海理工大学外国語学院が主催し、上海市外国語学会、上海市日本学会、千羽鶴日本語、カシオ(中国)貿易有限公司が共催者となる、第20回上海市大学日本語教師文学年会・第14回日中翻訳シンポジウム・第5回中国日本語教育研究会上海支部年会および上海理工大学外国語学院日本語学科創立30周年学術シンポジウムが挙行された。開催地は本学外国語学院講堂であった。
上海市人民対外友好協会の関係指導者、日本課の元課長である張雪娜氏、アジア課幹部である賀珮昀氏、上海市教育委員会国際交流課元副課である長張進氏、上海市教育労働組合幹部である呉波氏、新華社上級記者である張建松氏、上海理工大学副学長である蔡永蓮氏、上海外国語大学元常務副学長である譚晶華氏、山東省臨沂市人民政府上海事務所副主任である李徳剛氏、中国日本語教育研究会副会長・上海支部会長である劉暁芳氏、全国日本経済学会副会長・上海市日本学会会長である陳子雷氏、上海外国語大学日本文化経済学院院長である高潔氏、上海外国語大学国際教育学院副院長である竇心浩氏、華東理工大学外国語学院副院長である張正軍氏、外研社総合語種教育出版分社副社長である杜紅坡氏、上海交通大学出版社人文社会科学分社副社長である趙斌玮氏、上海外国語教育出版社副編集である王俊氏、上海訳文出版社副編集である姚東敏氏、および上海市内で日本語学科が設置されている30以上の学院・学部の指導者がこの場に列席した。また、復旦大学、上海交通大学、同済大学、華東師範大学、首都師範大学、南京航空航天大学、南京工業大学、重慶交通大学、南通大学など全国50以上の大学からの180名の専門家・学者が「人工知能時代における外国語学科の機会と展望」を巡って熱心に検討した。
本学外国語学院劉芹院長は大会開幕式の司会を務め、本学を代表して、出席した指導者、専門家・学者、教師・学生代表に熱烈な歓迎と心からの感謝を表した。
本学の蔡永蓮副学長は、主催者側を代表して挨拶し、上海理工大学の多学科総合発展の経緯や長年にわたる人材育成、科学研究、社会サービスなどでの努力を紹介した。そして日本語学科が30年の教育経験を基に、「AI+」の時代背景を踏まえ、国家と上海市の発展ニーズに密接に関連しつつ、上海理工大学の科学技術外国語人材育成モデルの特色を発揮させていること、「AI+」の外国語学科発展の道を探求し、中国の物語を語り、国際的伝播を支援し、人工知能時代の機会と挑戦に立ち向かうことを切に願っていること、などを語った。
蔡永蓮副学長による式辞
大会開幕式の司会を務める外国語学院劉芹院長
中国日本語教育研究会副会長・上海支部会長の劉暁芳氏は、挨拶の中で、上海市の大学の学者たちが学術雑誌出版、国際交流、産学連携、ミクロビデオコンテストなどで協力しあい、総合的な影響力を形成して、外国語学科の健全な発展を推進させるべきだと指摘した。全国日本経済学会副会長・上海市日本学会会長の陳子雷氏は、人工知能と外国語の結合が新たな生産力の発展要求に合致していること、それは新時代の開放性と包容性を示していること、外国語学科が科学技術の発展を手段とし、人材育成を目標とし、良質な教育を推進し、社会各界のため外国語人材を育成し続けることを述べた。
中国日本語教育研究会上海支部会長の劉暁芳氏による式辞
上海市日本学会会長の陳子雷氏による式辞
本学外国語学院党委書記の曲徳強氏は日本語学科創立30周年授賞式の司会進行役を務め、30年の風雨を乗り越え、多くの人材を育成してきた日本語学科の発展は社会各層の大きな支援に由来すると指摘した。
授賞式の司会進行役を務める外国語学院党委書記の曲徳強氏
上海市教育委員会国際交流課元副課長の張進氏および上海市人民対外友好協会日本課元課長の張雪娜氏は、上海市甘泉外国語中学校長の楊雲氏、包玉剛実験学校元校長の呉子健氏、上海市松江区青少年総合実践教育センター副主任の王妍氏、新華社上級記者の張建松氏、上海日本研究交流センター責任者の姜咪紅氏、上海市日本学会副会長の馬利中氏に、それぞれ「傑出功労賞」を授与した。上海市教育労働組合幹部の呉波氏と外国語学院韓戈玲副院長は、本学日本語学科退職教員の張継彤氏、張蓮群氏、張文碧氏、徐彭陽氏に、それぞれ「傑出教育賞」を授与した。外国語学院党委副書記の金小東氏は本学日本語学科第一期学部生で上海市甘泉外国語中学副校長の王丹氏に「傑出校友賞」を授与した。
「傑出功労賞」の授与現場
「傑出教育賞」の授与現場
「傑出校友賞」の授与現場
開幕式終了後のシンポジウムでは基調講演と分科会が行われた。基調講演の司会進行役は中国日本語教育研究会副会長・上海外国語大学日本文化経済学院の高潔院長、上海日本研究交流センター責任者の姜咪紅氏、同済大学留学生事務室主任の陳毅立氏が務めた。
基調講演の司会進行役を務める上海外国語大学日本文化経済学院の高潔院長
基調講演の司会進行役を務める上海日本研究交流センター責任者の姜咪紅氏
基調講演の司会進行役を務める同済大学留学生事務室主任の陳毅立氏
上海外国語大学元常務副学長の譚晶華氏は、「人工知能時代の日本学研究」をテーマに、中国学界の日本文学、翻訳、文化、さらには日本学研究全体の発展経緯と中国日本学研究の豊かな成果を振り返り、日本語学界が日本語教育の価値的リーダーシップを深化させ、文科専攻間の深い融合を推進させ、自己革新を実現し、より多くの高レベル国際人材を国家のため育成するよう切望した。
上海外国語大学元常務副学長の譚晶華氏による基調講演
上海国際問題研究院の陳友駿研究員は「人工知能時代の地域・国別学研究」をテーマに講演し、歴史的淵源、学科基盤、現実的意義などの側面から日本研究が地域・国家研究において持つ役割を説明し、人工知能時代の地域・国家研究が国家、地域、世界の現実的問題を解決し、国家発展の大戦略に奉仕するべきだと指摘した。
上海国際問題研究院の陳友駿研究員による基調講演
本学日本語学科主任の楊本明氏は、「国家級学術外訳プロジェクトの実践と探求」をテーマに、マクロ的視点から国家外訳プロジェクトを詳細に紹介し、外国語人材が国家の呼びかけに積極的に応え、中国の声を伝え、中国の特色を説明し、中華文化の精髄を正確に伝え、絶えず変化する中国を翻訳することで、中外文明の交流と相互理解を促進させることを提案した。
日本語学科主任の楊本明氏による基調講演
その後の分科会は4つの会場に分かれ、国家社会科学基金言語学、文学、中華学術外訳、地域・国家研究などのテーマをめぐって展開された。
「国家社会科学基金言語学セッション」では上海外国語大学国際教育学院の竇心浩副院長および本学MTI教育センターの毛偉副主任が司会進行を行い、同済大学外国語学院の博士課程学生の陳周氏が研究報告を行った。中国日本語教育研究会上海支部の毛文偉副会長、上海師範大学日本語学科の崔紅花主任、東華大学日本語学科の陳月娥主任などの専門家・学者が言語、文学、文化、歴史などの学科の共融共通について熱心に議論した。上海外国語大学の王暁華准教授は日本語描写文法の理論的方法を参考に中国方言を研究する経験を共有してくれた。本学日本語学科の劉曼教授は国家社会科学基金プロジェクトの申請経験を共有してくれ、研究課題は国家戦略ニーズに従った国家と社会の発展のためのものだと述べた。
言語学分科会
「国家社会科学基金文学セッション」では、上海外国語大学日本文化経済学院の高潔院長と華東師範大学日本語学科の尤海燕主任が司会進行を担当した。上海外国語大学日本文化経済学院博士課程学生の陳瑶氏が「人工知能執筆とそのナラティブモデル研究――『君、AIなのか』を中心に」をテーマに研究報告を行い、AI作品が伝統的な静的テキストとは異なっており、AIの生成内容は執筆の産物であると同時にAIプログラム学習のメタテキストでもあり、それは指示に従って絶えず変化していく顕著な流動的特徴を持っていると指摘した。分科会ではみな外国語教育、翻訳実践、文学創作などにおけるAIの応用と融合について熱心に検討を加えた。譚晶華教授はAIで生成された教案、翻訳などには大きな同質化問題があり、そこには人間への注目が欠けていると指摘した。高潔教授は、人工知能技術は知識の正確性と専門性においては優れているが、想像力と創造力においては人間に遠く及ばないと述べた。劉暁芳教授は「いかなる想像も現実ほど素晴らしくはない」と語り、AIで生成されたテキストにはあくまでも人間の書いた内容に含まれている人間性の温かみがないと指摘した。
文学分科会
「国家社会科学基金中華学術外訳セッション」では華東理工大学外国語学院の張正軍副院長、上外賢達経済人文学院の校学科リーダーの田建国氏、および上海師範大学映画・テレビメディア学院の陶賦雯准教授が司会進行を行った。田氏はテーマの選択方向、出版社への連絡、チーム編成と分担、関連分野専門家の導入、後期の宣伝などの側面からプロジェクトの申請原則を紹介し、人工知能という道具の合理的な使用原則に言及した。陶氏は映画の『赤壁』と『山の郵便配達』、ゲームの『原神』の日本での広がりを例に、映画、ゲームなどの分野での文化作品の翻訳・交流を紹介した。華東理工大学日本語学科の梁海燕主任、上海対外経済貿易大学日本語学科の金鏡玉主任などの専門家・学者が翻訳作品の題材選択、出版社との協力、翻訳原稿の校正などの問題について深く検討を行った。
翻訳学分科会
「国家社会科学基金地域・国家研究セッション」では上海市日本学会副会長・中華日本学会理事の馬利中氏、上海国際問題研究院アジア太平洋研究センターの蔡亮研究員が司会進行を担当した。馬氏は現在の日本語研究の発展の困難性と展望をまとめ、地域・国家研究は長所を発揮しつつ短所を避け、資源を統合し、国家と社会の発展の実際のニーズに応えて課題を解決し、人に先立って取り組むべきだと指摘した。蔡氏は、学際的な活動を行う鍵は研究方法の適切性、応用性、基礎性にあり、全体観を持ちつつ日本の発展の経験と教訓を学び取り、中国式び現代化発展に全力を尽くしなければならないと述べた。
地域・国別学研究分科会
シンポジウムの閉幕式では、上海大学日本語学科の趙莹波主任が司会進行役を務めた。中国日本語教育研究会上海支部の毛文偉副会長は、外国語学科が新時代の背景において重要な役割を担い、人工知能が学科の発展を支え、新時代の人材育成メカニズムに新しい可能性を与える、と総括スピーチを行った。
大会閉幕の司会進行役を務める海大学日本語学科の趙莹波主任
中国日本語教育研究会上海支部の毛文偉副会長による総括スピーチ
シンポジウムに出席した専門家は、人工知能時代の機会とチャレンジに直面する中、緊密に協力しあう学術共同体を全力で構築し、大学、研究機関、企業など各界の良質な資源を広く統合し、全方位的に外国語学科の革新を推進して外国語学科の中身を豊かにし、学界の影響力を拡大し、外国語学科の建設と繁栄に貢献することこそ外国語学科研究者の急務と認識するむねで一致した。
大会の記念写真